2025.06.23

【2025年最新】横浜市に大規模修繕工事の補助金は存在しない?使える制度・代替支援まとめ|オーナー向け

横浜市の大規模修繕工事の補助金|アイキャッチ

「横浜市でも大規模修繕に補助金が出るのでは?」

そう思って調べ始めたものの、工事そのものに使える制度が見当たらず困っていませんか?

実は、2025年6月時点、横浜市には大規模修繕工事自体に使える補助金は存在しません。ですが、その代わりとして工事に関連する「周辺費用」「将来の備え」に対しては、さまざまな支援制度が整備されています。

この記事では、横浜市の大規模修繕工事・制度に精通する「株式会社マーク」が、専門家のコメントを交えつつ、各補助制度の詳細・申請手続き・注意点・無料サポート窓口・よくある質問までをわかりやすくまとめました。

制度名主な支援内容補助・減税内容対象工事・活動
マンションの共用部等のバリアフリー化補助共用部の段差解消や手すり設置など工事費の1/3
(上限30万円)
共用部のバリアフリー整備
マンション長寿命化促進税制長寿命化の修繕工事に対する減税固定資産税1/2
(100㎡以内)
外壁塗装、屋根・床防水工事など
長期修繕計画作成促進補助修繕計画作成・見直し費用の補助委託費の1/2
(上限20万円)
長期修繕計画の作成・見直し
マンション再生支援事業建替えor住み続ける判断に必要な検討費を補助活動費1/2
(上限30万円)
性能向上の検討(断熱・バリアフリー等)
※クリックすると補助金情報まで画面がスライドします

横浜市ではアパート・マンションの大規模修繕工事に使える補助金がない

横浜市では、2025年6月時点でアパートやマンションの大規模修繕工事そのものに直接使える補助金制度は設けられていません。

横浜市では、大規模修繕工事に関する補助金等は扱っておりません
出典:横浜市「大規模修繕工事」

そのため「大規模修繕は補助金が出る前提で計画すべきではない」という点を前提に、使える横浜市の他制度を活用しながら全体の資金計画を立てる必要があります。

【株式会社マーク担当者のコメント】
補助金の誤認によるご相談は、毎年複数件寄せられます。

残念ながら、横浜市単体では直接的な修繕費支援は行っていません。まずは“対象制度があるかどうか”を確認したうえで、修繕計画を立てることが大切です。

オーナー必見|修繕工事以外に利用できるおすすめ補助金一覧

横浜市では、大規模修繕工事そのものに使える補助金制度はありません。

しかし「バリアフリー化」「長寿命化」「修繕計画づくり」など、工事に付随する改善や将来計画に使える補助制度は複数存在しています。

制度名主な支援内容対象者補助・減税内容対象工事・活動留意点
マンションの共用部等のバリアフリー化補助共用部の段差解消や手すり設置など登録済管理組合工事費の1/3
(上限30万円)
共用部のバリアフリー整備専有部や賃貸は対象外
マンション長寿命化促進税制長寿命化の修繕工事に対する減税納税者・管理組合等固定資産税1/2
(100㎡以内)
外壁塗装、屋根・床防水工事など工事後3か月以内の申請必要
長期修繕計画作成促進補助修繕計画作成・見直し費用の補助登録済管理組合委託費の1/2
(上限20万円)
長期修繕計画の作成・見直し15年以上未見直し等が対象
マンション再生支援事業建替えor住み続ける判断に必要な検討費を補助管理組合活動費1/2
(上限30万円)
性能向上の検討(断熱・バリアフリー等)実工事は対象外。計画策定支援のみ

以下より、2025年最新の各補助金・制度の概要を説明していきます。

マンションの共用部等のバリアフリー化補助

マンションの共用部等のバリアフリー化補助」は、廊下や階段といった共用部または敷地内の段差解消や手すりの設置などにかかる工事費用の一部を補助してもらえる制度です。

大規模修繕のメインとなる修繕工事には使えませんが、工事に伴うバリアフリー化を実施する際には、費用を抑えられます。

対象建物

分譲マンション

※賃貸マンションや、専有部には利用不可

対象地域

横浜市内

対象工事

バリアフリー整備する施設(手すり、スロープなど)の部分が「福祉のまちづくり条例(横浜市)」の指定施設整備基準に合うように整備する工事。(対象箇所は以下参照)

  • 道等から住戸までの経路となる部分
  • 車いす使用者用駐車施設から住戸までの経路となる部分
  • 住戸から車いす用までの経路となる部分

申請者

以下の条件に該当する管理組合

補助額(補助率)

工事費用(税抜)の1/3かつ30万円以内
(千円未満の端数切り捨て)

※手すり設置工事の場合)30万円または住戸1戸当たり8,000円のうち低い額まで

申請期間

記載なし(自治体や工事業者に要確認)

【参考】
マンションの共用部等のバリアフリー化補助|横浜市
指定施設整備マニュアル(建築物編)共同住宅|横浜市

【横浜市の担当課】
建築局住宅部住宅再生課
TEL|045-671-2954

マンション長寿命化促進税制

マンション長寿命化促進税制」は、長寿命化に資する大規模の修繕工事について、工事が完了した年の翌年度分について、当該マンションに係る固定資産税額を1/2に減額される制度です。

なお、減額されるのは1戸当たり100㎡(共用部分を含む)までの範囲となります。

対象建物

以下いずれかの条件に合うマンション

  • 管理計画認定マンション
    (参考:横浜市「管理計画認定制度」
  • 助言または指導を受けた管理組合の管理者等に係るマンション

対象地域

横浜市内

対象工事

  • 外壁塗装等工事
  • 床防水工事および屋根防水工事

※工事の工事項目が適切に設定され、実施されたことが証明者によって確認された場合に限る

申請者

  • 本人(納税義務者・所有者)
  • 本人の相続人または合併により納税義務を継承する法人
  • 当該マンションの管理組合等の代表者

補助額(補助率)

1戸当たり100㎡(共用部分を含む)範囲の固定資産税1/2減額

申請期間

令和9年3月31日まで

※当該工事が完了した日から3ヶ月以内(5月に工事完了なら8月まで)に、マンションのある区の「区役所税務課家屋担当」に必要書類を提出した場合にのみ適用

【参考】
マンション長寿命化促進税制|横浜市

【横浜市の担当課】
財政局主税部固定資産税課家屋担当
TEL|045-671-2260

長期修繕計画がない、長年更新していないマンションへの補助金

長期修繕計画がない、長年更新していないマンションへの補助金」は、正式名称をマンション長期修繕計画作成促進モデル事業と言い、長期修繕計画作成に関わる費用の一部を補助してもらえる制度です。

対象建物

以下いずれかの条件に合うマンション

  • 総会が年1回以上開催されている
  • 管理規約がある
  • 長期修繕計画を作成していない
    (または作成から15年以上見直しをしていない)
  • 長期修繕計画の作成・見直しを実施することおよびその経費について
    (当該マンションの管理組合の規約に基づき適切に意思決定がされている)
  • 横浜市マンション登録制度へ登録を行っている

対象地域

横浜市内

対象工事

  • 劣化調査診断に要する委託費用
  • 長期修繕計画作成に要する委託費用

申請者

管理組合の代表者

補助額(補助率)

上限20万円(委託費用1/2まで)

申請期間

令和8年1月末日までに事業を完了し、同日までに事業の実績報告書を提出
(令和7年度の補助決定を受けたマンションの場合)

※事前申請が必要です

【参考】
長期修繕計画がない、長年更新していないマンションへの補助金|横浜市

【横浜市の担当課】
建築局住宅部住宅再生課
TEL|045-671-2954

マンション再生支援事業

マンション再生支援事業」は、高経年(古くなった)マンションの将来検討として、このまま修繕しながら住み続けるか、建替えや解体して売却するかを比較検討する活動に対してかかる費用負担を一部補助してもらえる制度です。

※「検討」にかかる費用のみが補助対象です。

対象建物

以下の条件に合うマンション

  • 築30年以上の分譲マンションである
  • 横浜市マンション登録制度へ登録している
  • 管理計画認定を取得している、または認定取得予定(総会で承認済み)である
    ※性能向上工事の検討のみ

【管理状況の条件】
・管理組合があり、総会が年1回以上開催されていること
・管理規約が作成されていること
・長期修繕計画が定められており、7年以内に見直しがされていること

対象地域

横浜市内

対象工事

以下に示す性能向上の「検討」にかかった費用

  • バリアフリー化
    (スロープ、手すりの設置など)
  • 省エネルギー化・再生可能エネルギーの導入
    (屋上、外壁、開口部等の断熱仕様の変更など)
  • 防犯対策
    (オートロックの設置、防犯カメラの設置など)
  • 現在一般化されている機能の編子変更
    (利便施設(集会所、宅配ボックス)の整備など)
  • その他
    (市との協議による)

申請者

  • マンション管理組合
    (またはマンション管理組合の承認を得た区分所有者からなる検討組織)

※マンション再生活動を行うこと、およびその経費について管理組合で議決していることが前提条件です。

補助額(補助率)

1年度あたり検討活動費用の1/2まで(上限30万円)

※複数のマンション管理組合等が共同で行う活動は60万円が上限

申請期間

記載なし

【参考】
マンションの改修や建替え、敷地売却、敷地分割に関する検討、合意形成費用補助|横浜市

【横浜市の担当課】
建築局住宅部住宅再生課
TEL|045-671-2954

大規模修繕工事の検討時に利用したい横浜市の無料サポート

大規模修繕工事を検討する際には、業者へ依頼する前の「情報収集」「見積もりの妥当性判断」が重要です。

横浜市では、こうした検討初期に役立つ2つの無料支援制度を提供しています。

住まいるダイヤル|修繕工事の見積りが適正か相談したい向け

大規模修繕の見積りが妥当かどうかを判断するのは、経験が浅い管理組合やオーナーにとって極めて難しい問題です。

横浜市では、こうした不安を解消するために「住まいるダイヤル」の活用を推奨しています。

【住まいダイヤルとは?】
国土交通大臣が指定した「住宅専門の相談窓口」のことです。住宅に関する様々なトラブルや疑問について、専門家が中立・公正な立場で相談に乗ってくれます。

大規模修繕は専門用語も多く、内訳の妥当性を判断するには建築知識と価格相場の両方が必要です。工事内容に精通した専門相談員が中立的な立場からアドバイスしてくれるため、業者との見積交渉に自信をもって臨めます。

項目内容
対象者マンション管理組合、個人オーナーなど
相談費用無料
相談形式電話または文書(見積書の写し提出)
対応内容・見積書の記載項目チェック
・価格の妥当性アドバイス
運営機関公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター(国土交通省支援)

【参考】
住まいダイヤル|横浜市「修繕工事の見積りが適正か相談したい」

住宅リフォーム事業者団体登録制度|工事会社を探したい人向け

大規模修繕の費用に関するトラブルは「業者選び」に起因することがほとんどです。

特に、過去の施工実績が不明確な会社や、価格の安さばかりを強調する事業者に依頼すると、結果的に不良施工や追加費用の発生といった問題に直面するリスクが高くなります。

そこで役立つのが、横浜市が公開している「住宅リフォーム事業者団体登録制度」に登録した業者から工事会社を選ぶ方法です。

【住宅リフォーム事業者団体登録制度とは?】
国土交通省の基準に基づいた業界団体のなかで、一定の施工実績・コンプライアンス遵守・瑕疵保険加入実績などをもつ会社を登録・公表している制度です。横浜市もこの制度に準拠しており、高品質な業者選定の第一ステップとして活用できます。

不特定多数の見積りサイトよりも、信頼性・施工の継続性・技術力で安心感が高いため、自分で工事会社を選べないという方におすすめです。

項目内容
対象者・マンション管理組合
・所有者
・工事発注者全般
活用方法登録団体一覧から施工会社を検索/比較
登録基準技術力・経営状態・施工実績・コンプライアンス遵守
メリット・不良業者の排除
・安全な業者選定
・団体保証の活用可能
主な団体例一般社団法人日本住宅リフォーム産業協会(JERCO)など

【参考】
住宅リフォーム事業者団体登録制度|横浜市「修繕や改修の工事の会社を探したい」
※市から特定の業者を紹介してもらうことはできません

補助金の申請手続きと流れ

横浜市で大規模修繕工事に直接使える補助金は存在しませんが、関連する支援制度を利用する場合には、申請手続きの理解が欠かせません。

補助金制度を使うには、次の順序を厳守する必要があります。
※ 勝手に工事を始めると、補助の対象外になることもある

ステップ内容
STEP1横浜市の担当窓口に事前相談
(住宅政策課または住宅供給公社)
※工事業者に直接相談も可
STEP2補助申請書類の提出
(管理組合名義)
STEP3書類審査・現地調査の実施
STEP4補助金交付決定の通知
STEP5工事着工
(交付決定後に限る)
STEP6工事完了後の実績報告書の提出
STEP7補助金の交付
(後払い方式が原則)

補助金は、必ず「交付決定通知」を受けてから工事を始めることが原則です。書類不備やスケジュール遅延による交付不可例が多発しているので、事前確認を欠かさないように気を付けてください。

【株式会社マーク担当者のコメント】
補助金の申請で必要な書類は「修繕計画書」「管理規約」「議事録」「見積書」など多岐にわたります。もし、自身で準備できないとお悩みなら、補助金サポートに強い工事業者に相談するのがおすすめです。

補助金サポートは株式会社マークまで|無料相談提供中
▶ 電話相談はこちら|045-9480-6525

注意すべき談合問題や業者選びのポイント

大規模修繕工事では、業者間の談合や不正見積もりが過去に何度も問題化しており、横浜市内でも注意が必要なケースが見られます。

(参考:日経XTECH「マンション修繕工事談合、公取委約30社を検査 設計コンサルにも資料提供要請」

特に2回目・3回目の修繕では、管理会社の“慣れ”や“丸投げ”が原因で、価格や施工品質に対するチェックが甘くなりがちです。

そこで、談合や業者選びを失敗したくない方は「価格が妥当か」「工事の質は信用できるか」をチェックする体制を整えることで、談合や不良工事のリスクを回避できます。以下に、チェックポイントをまとめました。

  • 管理組合が主体となり「修繕委員会」や「第三者専門家」を入れる
  • 業者選定は価格だけでなく施工実績・対応姿勢・保証体制まで確認する
  • 3社以上から相見積もりを取り、書面での仕様比較を行う
  • 「住まいるダイヤル」「登録業者制度」などの公的支援を積極に活用する
  • 工事監理者(設計者・建築士)を必ず立てることで透明性を確保する

【株式会社マーク担当者のコメント】
談合や馴れ合いを防ぐ一番の方法は、“複数の目”を入れることです。修繕委員会を設け、建築士やマンション管理士といった外部専門家を起用すれば、業者との癒着や曖昧な契約リスクは大幅に減らせます。

他自治体との違い|神奈川県内の補助金との比較

大規模修繕「工事」に対する支援は、自治体ごとに制度内容や優先順位が異なるため、「横浜市に補助金がない=全国にない」と誤解しないことが重要です。

たとえば、神奈川県のなかでも「藤沢市」など一部の自治体では、修繕そのものではなく、事前の「計画づくり支援」「アドバイザー派遣」などに力を入れている例があります。

一方で「横浜市」や「川崎市」では、特定建物・目的での工事費の補助を受けられるのが特徴です。

自治体名対象制度支援内容補助金の有無
横浜市マンションの共用部等のバリアフリー化補助バリアフリー化
(バリアフリー化限定)
川崎市川崎市大規模修繕補助制度老人ホーム等の工事
(特定施設支援)
藤沢市基本なし
(計画等の支援は別途あり)
神奈川県(広域)長期優良住宅リフォーム推進事業県内一部市町村と連携◯(一部対象)

【株式会社マーク担当者のコメント】
横浜市で工事の補助金を利用できない場合には、神奈川県が提供している補助金が適用できるかチェックするのがおすすめです。

神奈川県で提供されている大規模修繕補助金をチェックする

横浜市の大規模修繕補助金のよくある質問【FAQ】

横浜市に「大規模修繕補助金」は本当にないのですか?

はい。横浜市では工事費用そのものに対する補助金制度はありません。ただし、長寿命化やバリアフリー改修、再生支援などの間接的な制度は利用可能です。制度の目的を正しく理解することが大切です。

個人オーナーでも「横浜市のマンション補助金」は利用できますか?

多くの補助制度は「マンション管理組合」が申請主体となるため、個人オーナーが単独で利用できるケースはほとんどありません。管理組合との協力が前提となります。

玄関ドアのリフォームだけでも補助金の対象になりますか?

単体の玄関ドア交換では対象外ですが、共用部のバリアフリー改修(自動ドア化など)に該当すれば支援対象になる可能性があります。申請前に用途確認が必要です。

高齢者向けや介護施設での「大規模修繕補助金」はありますか?

高齢者住宅や介護施設向けの補助金は、住宅整備交付金など国レベルで別枠が用意されています。横浜市では分譲マンションへの支援が中心で、福祉施設は対象外です。

国土交通省や神奈川県の補助金は横浜市でも使えますか?

一部の国・県制度は横浜市民でも利用可能ですが、申請先や対象内容が異なります。基本的には横浜市の制度を中心に検討し、不足分を広域制度で補うのが現実的です。

長期修繕計画がないマンションでも補助金は受けられますか?

「マンション再生支援事業」では、修繕計画を作成していない古いマンション向けに、計画づくりや専門家の支援を受けられる制度があります。早めの相談が鍵です。

まとめ|2025年の修繕計画は「補助金の活用」がおすすめ

横浜市で大規模修繕に補助金が直接出ないからといって、何も支援を受けられないわけではありません。

関連する制度を上手に組み合わせることで、資金負担や工事トラブルを大幅に軽減できます。

なお、提供されている補助金のほとんどはマンションが対象です。アパートの場合には、業者比較や修繕計画によって費用を抑えることが重要ですので、専門業者に相談することから始めるのがおすすめです。

【株式会社マークからのご案内】
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監修・執筆|この記事は株式会社マークの編集チームにて作成しております。なお掲載している国・自治体(横浜市)などの情報は最新情報にもとづき適切に編集を実施しています。

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