コラム
アパート外壁塗装は本当に必要?不要なケースと必要なケースを徹底解説【2025年版】

「アパートの外壁塗装って本当に必要なの?」
「アパートの見た目はきれいだから、外壁塗装をしなくてもいいのでは?」
「塗装って高いって聞くし、できれば避けたい…」
こう感じているオーナーさんは少なくありません。実際、外壁塗装には数十万〜数百万円の費用がかかるため、「本当に必要かどうか」を迷うのは自然なことです。
塗料の種類 | 耐用年数の目安 | 坪単価の目安 | 30坪アパートの概算費用 |
---|---|---|---|
アクリル系 | 5〜7年 | 1,500〜1,800円/㎡ | 約80〜100万円 |
シリコン系 | 10〜13年 | 2,000〜3,000円/㎡ | 約100〜150万円 |
フッ素系 | 15〜20年 | 3,500〜5,000円/㎡ | 約150〜200万円 |
無機系 | 20〜25年 | 4,000〜5,500円/㎡ | 約180〜250万円 |
ただし結論から言うと、外壁塗装は建物の状態や素材によって「必要な場合」と「不要な場合」に分かれます。放置しても大きな問題にならないケースもあれば、逆にメンテナンスを怠ると雨漏りや修繕費の高騰につながるケースもあります。
そこでこの記事では、外壁塗装が不要なケースや逆に塗装が必要になるサイン、そして判断に役立つチェックリストを紹介します。読み進めながら「うちのアパートはどうだろう?」と当てはめてみてください。
【この記事でわかること】
✅ アパートの外壁塗装は必要か?
✅ 外壁塗装が不要なケースとは?
✅ 外壁塗装が必要なケースとは?
✅ ネット上の「必要ない」は本当?
✅ 外壁塗装の必要性の判断基準は?
監修・執筆|この記事は株式会社マークの編集チームにて作成しております。なお掲載している国・研究機関等の情報は最新情報にもとづき適切に編集を実施しています。
費用をなるべく抑えたい方は、外壁塗装の費用を安くする方法もあわせてチェックしてください。
アパート外壁塗装は本当に必要?結論から解説
アパートの外壁塗装は、必ずしも全員が同じタイミングで必要とは限りません。なかには、長期間外壁塗装をやり直さなくともきれいな場合もあります。
ただし、ほとんどのアパートでは10〜15年ごとに塗装を行うのが望ましいとされています。これは建物の寿命を守るためであり、見た目の美しさ以上に「入居者の安心」と「資産価値維持」に直結するからです。
【マークの外壁塗装事例|Aさんのアパート】
築17年のアパートを持つAさんは、外壁のひび割れを放置した結果、屋内で雨漏りが発生。その後弊社にて約120万円で外壁塗装を実施した結果、雨漏りは解消し見た目も改善しました。一時期減っていた入居率も回復し、資産価値維持につながったと実感されています。
「うちは大丈夫」と思って放置した結果、後で高額な工事に発展するのが一番避けたいパターンです。
外壁塗装の時期に迷ったら、定期点検と早めの専門相談を習慣にするのがおすすめです。
【マーク|担当者コメント】
外壁塗装は「見た目のため」だけと思われがちですが、実際は防水機能を守る役割が大きいです。塗装を怠ると内部まで劣化し、雨漏りや柱の腐食につながります。長期的には塗装をした方がコストを抑えられるケースが多いです。
アパート外壁塗装が不要なケース
すべてのアパートに外壁塗装が必要なわけではありません。
実は、素材や施工方法・立地条件によっては、長期間メンテナンスが不要な建物も存在します。
ここでは「塗装をしなくてもよい、もしくは頻度を大幅に減らせるケース」を紹介します。オーナーとして無駄な出費を防ぐためにも、あてはまるか確認してみましょう。
塗装不要な外壁材(タイル・レンガ・ガルバリウムなど)
結論から言えば、外壁材そのものに高い耐久性がある場合は塗装が不要です。代表的なのは以下の素材です。
- タイル外壁
表面が硬く、紫外線や雨風で劣化しにくい。
目地の補修は必要だが塗装は基本不要。 - レンガや石材外壁
自然素材のため経年劣化が遅い。
数十年単位でメンテナンスフリー。 - ガルバリウム鋼板
金属系外壁で、耐用年数は20年以上。
定期的な錆止めやシーリング補修で十分。
そのため、「タイル張りのアパートに塗装が必要です」と言う業者は注意してください。塗装工事が本当に必要かどうか、専門家の第三者診断を受けることが大切です。
高耐久塗料で施工済みの場合(無機塗料・フッ素塗料など)
新築のアパートや前回の工事で、高耐久塗料(無機塗料・フッ素塗料など)を使用している場合も、10年単位で塗装は不要となるケースがあります。
- 無機塗料
耐用年数が20〜25年。
紫外線や雨風にも強い。 - フッ素塗料
15〜20年は性能を維持。
大規模マンションや商業施設にも使われる。
国土交通省「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の資料でも、塗料の種類によって耐久年数が大きく異なることが示されています。
自分のアパートがどんな塗料で仕上げられているかを知ることが、無駄な工事を避ける第一歩です。
環境条件が良いアパート(雨風が当たりにくい立地)
建物の立地条件によっても塗装の必要性は変わります。特に次のような環境にあるアパートは、外壁塗装の頻度を減らしやすいのが特徴です。
- 周囲に高い建物があり、直射日光を浴びにくい
- 風雨が強い方向に隣家や樹木があり、外壁にダメージが少ない
- 海沿いでないため塩害のリスクがない
このような環境では、塗装の劣化スピードが遅く、一般的な10〜15年サイクルよりも長く持つケースがあります。
ただし「劣化が遅い=メンテナンス不要」ではありません。苔やカビの発生、シーリング材の縮みなどは立地に関係なく起こるため、定期点検だけは欠かさないことが重要です。
【マーク|担当者コメント】
タイルやレンガなどは基本的に塗装不要ですが、完全に放置できるわけではありません。目地やシーリングの劣化は避けられず、定期点検や部分補修は必要です。誤解されやすいポイントなので注意してください。
アパート外壁塗装が必要なケース
「まだ大丈夫」と思っていても、実は外壁の劣化が進んでいることは少なくありません。
特にアパートは入居者が暮らす建物なので、放置すると雨漏りや安全性の低下につながり、修繕費用も跳ね上がるリスクがあります。
- チョーキングやひび割れ
→ 初期劣化のサイン - コーキングの破断
→ 内部劣化の入口 - 雨漏りや結露
→ 資産価値低下につながる重大サイン
症状 | 状態の目安 | 塗装の必要度 |
---|---|---|
チョーキング (白い粉) | 外壁を触ると手に粉がつく | ★★★(早急に検討) |
ひび割れ | 幅0.3mm以上 | ★★★(放置NG) |
コーキングの割れ | 隙間・剥がれがある | ★★☆(補修と併用推奨) |
苔・カビ | 表面の汚れ・緑や黒ずみ | ★☆☆(洗浄で改善可、進行なら要塗装) |
ここでは「今すぐ外壁塗装を検討すべき典型的なケース」を整理します。
チョーキング(白い粉)やひび割れが出ている
外壁を手で触ったときに白い粉(チョーキング現象)がついたり、ひび割れ(クラック)が見られる場合は要注意です。
- チョーキングは「塗膜が紫外線で分解され、防水性を失っているサイン」
- ひび割れは雨水が侵入し、下地や柱にダメージを与える可能性あり
国土技術政策総合研究所の報告書でも、チョーキングやクラックは外壁劣化の代表的な初期症状として挙げられています。
(出典:国総研「セメント系外壁の塗り仕上げの長寿命化改修設計に資する劣化調査のポイント」)
早期に塗装で防水機能を取り戻すことが、大規模修繕の回避につながります。
【マーク|担当者コメント】
チョーキングやひび割れは「まだ大丈夫」と思いがちですが、これが劣化の初期サインです。早めに塗装すれば費用は最小限で済みますが、放置すると補修費が倍以上になることもあります。小さな症状でも軽視しないでください。
コーキングの劣化や剥がれがある
外壁材のつなぎ目に使われているコーキング(シーリング材)が硬化・ひび割れ・剥がれを起こしている場合も、外壁塗装や補修が必要です。
- コーキングが劣化すると雨水が侵入し、内部の木材や鉄骨を腐食させる
- 断熱性や気密性が下がり、入居者の生活環境にも影響
- 放置すると外壁材そのものの張り替えが必要になり、費用が2倍以上になるケースも
コーキングの劣化は一見小さな症状に見えても、実は修繕費の高騰を招く要因です。
雨漏り・室内結露などの二次被害が出始めている
もっとも深刻なのが、雨漏りや室内結露といった二次被害が出ている場合です。
- 天井や壁紙のシミ、クロスの剥がれ
- 部屋の湿気が異常に高い
- 入居者から「カビ臭い」「雨漏りがある」と苦情が出ている
これらは外壁からの浸水が原因の可能性が高く、塗装だけでなく下地補修も必要になることがあります。放置すると入居者離れや資産価値の低下につながるため、早急な対応が必須です。
【マークの外壁塗装事例|塗装を放置して雨漏りに発展したBさんのケー】
Bさんは築18年のアパートで塗装を先延ばしにしていましたが、外壁のひび割れから雨水が浸入し、雨漏りとカビ被害に発展。結局、補修費用が塗装費用の1.5倍かかってしまいました。
もしひび割れや雨漏りが見られる場合は、外壁ひび割れ補修の解説記事や雨漏り修繕のポイントもご覧ください。
アパートの「外壁塗装は必要ない」という声の真偽
インターネット上には「外壁塗装は必要ない」という声が散見されます。
特に知恵袋やSNSでは、「20年以上塗装していないけど問題なかった」「見た目が気にならなければ不要」という意見も多いです。
しかし、これらは一部の体験談にすぎず、すべてのアパートに当てはまるわけではありません。ここでは、その真偽を整理します。
知恵袋やネットで見かける「必要ない」という意見
実際に知恵袋や掲示板では、次のような投稿が多く見られます。
- 「築25年だけど一度も塗装していない。まだ大丈夫」
- 「見た目が気にならなければ塗装は必要ない」
- 「20年くらい何もしていない住宅も結構普通に住めます」
(参考:Yahoo!知恵袋より要点を整理)
確かに建物によっては長持ちしているケースもあります。ただし、それは外壁材や立地条件がたまたま良かっただけであり、全員に共通する事実ではありません。
20年近く放置した場合の実態については、外壁塗装を20年していないケースの解説記事も参考になります。
専門家が指摘する「必要ないと言える条件」
長年アパートの外壁塗装や大規模修繕をやってきた専門家の見解として、外壁塗装が本当に不要な条件は以下の通りです。
- 外壁材がタイルやレンガなど塗装を必要としない素材
- ガルバリウム鋼板など高耐久な金属外壁
- 過去に無機塗料・フッ素塗料で施工済み
- 周囲に建物が多く、雨風や紫外線の影響が少ない立地
つまり「必要ない」と言えるのは、素材+塗料+環境が揃った場合のみです。
体験談をそのまま信用するリスク
体験談を鵜呑みにすると、思わぬトラブルを招く可能性があります。
- 雨漏りに気づかず、内部の木材が腐食してから発覚
- 外壁材が剥がれ、修繕費が数倍に膨れ上がった
- 入居者離れが起き、空室率が上昇した
国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」でも、定期的な点検・診断の重要性が強調されています。(5年ごとが目安)
(出典:国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン(令和6年6月改定)」)
つまり「必要ない」という意見を見ても、自分のアパートの現状を診断するのが最も確実です。
アパート外壁塗装の必要性を判断するチェックリスト
外壁塗装が必要かどうかを見極めるには、感覚や経験だけでは不十分です。
素材ごとの推奨サイクル・実際の劣化症状・専門家診断の3つを組み合わせて判断することが重要です。
- 推奨サイクル × 劣化症状 × 専門診断の3点で判断する
- チェック表で「再塗装のタイミング」を把握できる
- 不安があるなら無料相談や簡単見積もりで確認するのが安心
ここでは、オーナー自身が確認できるチェックリストを紹介します。
素材ごとの推奨サイクル一覧表
外壁材や塗料の種類によって、再塗装が必要になるタイミングは異なります。
国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」や塗装材を提供しているメーカー等の資料・カタログを参考に、目安をまとめました。(あくまで目安です)
外壁材・塗料 | 耐久年数の目安 | 塗装の要否 | メンテナンス内容 |
---|---|---|---|
タイル | 40〜50年 | 不要 | 目地補修のみ |
レンガ | 40年以上 | 不要 | シーリング点検 |
ガルバリウム鋼板 | 20〜25年 | 部分補修 | 錆止め・シーリング |
サイディング+シリコン塗料 | 10〜15年 | 必要 | 塗り替え |
サイディング+無機塗料 | 20〜25年 | 長期間不要 | 点検のみ |
(参考:日本ペイント公式サイト / エスケー化研公式サイト / 水谷ペイント株式会社公式サイト)
表にあてはめるだけで、自分のアパートが「そろそろ再塗装の時期か」を確認できます。
劣化症状セルフチェック(チョーキング・ひび割れ・苔)
次に、自分の目で外壁を観察し、以下の症状がないかを確認してみましょう。
- 壁を触ると手に白い粉がつく(チョーキング)
- 小さなひび割れやクラックがある
- 塗膜のはがれ・浮き・膨れが出ている
- 外壁表面に苔・カビ・黒ずみがある
- コーキングが硬化・割れ・隙間あり
これらが複数当てはまる場合は、すでに防水性能が落ちている可能性が高いです。
プロ診断を受けるべきタイミング
セルフチェックは有効ですが、判断を誤るとリスクが大きくなります。特に以下のケースでは、専門家による劣化診断を受けるのが安全です。
- 築10年以上経過している
- 雨漏りや結露が発生している
- 外壁がタイル・ガルバリウムなどで「塗装が不要か迷っている」
- 一度も再塗装をしていない
無料診断を活用すれば「今すぐ必要か」「あと数年は大丈夫か」を客観的に判断できます。
アパート外壁塗装が必要かについてよくある質問【FAQ】
アパートの外壁塗装は本当に必要ですか?
外壁塗装は「美観のため」ではなく「建物を雨水や紫外線から守るため」に必要です。塗装を怠ると雨漏りや断熱性能低下が起き、修繕費用が数倍にふくらむケースも珍しくありません。ただし外壁材や塗料によって必要な頻度は変わります。すべてのアパートに同じタイミングで必要ではなく、素材・塗料・立地条件に合わせた判断が大切です。
アパートの外壁塗装を20年していないけど大丈夫ですか?
20年間塗装をしていない場合、外壁表面の防水機能がほぼ失われている可能性が高いです。チョーキングやひび割れが出ていなくても、内部で劣化が進んでいるケースもあります。国土交通省の調査でも、20年放置後は雨漏りや下地腐食が増えると報告されています。見た目に問題がなくても、一度専門家の劣化診断を受けることを強くおすすめします。
外壁塗装しなくても問題ないアパートの素材はありますか?
タイル外壁やレンガ外壁、ガルバリウム鋼板などは基本的に塗装を必要としません。これらは素材自体に高い耐久性があり、数十年メンテナンス不要な場合もあります。ただし「塗装不要=完全放置でいい」という意味ではなく、目地の補修や錆止め、シーリングの打ち替えなど部分的なメンテナンスは必要です。素材ごとの特徴を理解して適切に管理することが重要です。
外壁で一番長持ちする材料のは何ですか?
外壁材で最も長持ちするのは、一般的に「タイル外壁」と言われています。タイルは紫外線や雨風の影響をほとんど受けず、耐用年数は50年以上とされます。次に長持ちするのはガルバリウム鋼板で、錆止めを適切に行えば20年以上耐久します。ただし、どんな外壁でも「目地」や「付帯部」は劣化するため、10年ごとの点検は必須です。長寿命素材でも定期診断を受けるのが安心です。
外壁塗装は何日くらいかかりますか?
30坪規模のアパートであれば、足場の設置から仕上げまでおおよそ2〜3週間が目安です。天候や補修工事の有無によって前後することもあります。入居者がいる場合でも生活しながら工事は可能ですが、騒音や出入りの制限が一時的に発生する点には注意が必要です。
アパート外壁塗装の費用相場はどのくらいですか?
一般的な30坪前後のアパートで、100〜200万円程度が目安です。塗料の種類によっても差があり、シリコン塗料なら100〜150万円、フッ素塗料なら150〜200万円が相場です。下地補修や足場費用が加わるとさらに変動するため、必ず見積もりを比較することが大切です。
外壁塗装に助成金や補助金は使えますか?
自治体によっては、省エネ改修や長寿命化リフォームの一環として補助金が出る場合があります。対象になる工事や条件は地域ごとに異なるため、市区町村の公式サイトで確認するのがおすすめです。補助金を活用すれば、数十万円の費用を抑えられるケースもあります。
まとめ|「必要かどうか」は建物ごとの条件で決まる
外壁塗装は「すべてのアパートに同じタイミングで必要」というものではありません。外壁材の種類・塗料のグレード・立地環境によって、塗装の要否や時期は大きく変わります。
- タイルやガルバリウムなどは塗装不要な場合もある
- 一方で、チョーキングやひび割れ、雨漏りがある建物は早急な対応が必要
- 判断に迷うときは「素材」「劣化症状」「診断」を掛け合わせて確認する
つまり、結論は「必要かどうかは建物ごとに違う」ということです。
ただし自己判断だけでは限界があります。ネットの体験談を信じすぎて放置すると、修繕費が膨らみ後悔につながることも少なくありません。
少しでも不安を感じるなら、マークの無料診断や簡単見積もりを利用してみてください。現地調査を通じて「今すぐ必要か」「あと数年持つのか」を客観的に提案いたします。
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